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特典:シンクロナイズ「訪問者」と「Priest」のオリジナル7inch2枚は好評のうちに終了!以降は「Priest」の7inch1枚を特典とさせてもらいます=!
80年にアルバム『都市通信』に参加した ポストパンク、オルタナティブ系ロックバンド シンクロナイズ(後にザ・スカーレッツに改名)のスタジオ+ライヴ音源をコンパイル!シングル2枚、カセット2本、未発表ライヴ音源に加え、今回初出となる、ミニコミ「ニュー・ディスク・リポート」の付録ソノシート用に録音された3曲、アルバム「ポーラー・ソング」用に録音された5曲など未発表スタジオ音源を多数収録!デジパック3枚組仕様。
Synchronize ~ The Skarlets
1978年 Synchronize結成。1980年 アルバム「都市通信」に参加。新宿ACBでのイベント「Street Survival宣言」への出演や都内ライヴハウスを中心に活動。1981年にシングル「訪問者」、1983年にシングル「PRIEST」を発表後、The Skarletsに改名。1987年にカセット「Skarlets」、1989年にカセット「Liverpool」を発表した。
Total Info. https://www.synchronize80.xyz/
Disc 1 Synchronize Studio 試聴https://youtu.be/vpZJkqOAo9o
1. 都市通信
2. 転写
3. Easy Money
4. 訪問者
5. 幼年期
6. 連続線
7. PRIEST
8. MODE
9. Disillusion
10. 愛の見解
11. Please
12. holiday
13. NOBUYA
14. POLAR SONG
Disc 2 Synchronize Live & Demo 試聴 https://youtu.be/fkECtB9Us_s
1. holiday
2. 都市通信
3. 停止セヨ
4. 時間膜
5. Cool Point
6. Girl’s Campaign
7. 幼年期
8. 連続線
9. Disillusion
10. MODE
11. 紅蓮
12. 愛の見解
13. 失楽園 - the location -
14. Please
15. PRIEST~Easy Money
Disc 3 The Skarlets Studio & Live 試聴 https://youtu.be/-4AMFmAGYN0
1. Sun Room
2. 告白
3. Clear Screen
4. 反射率
5. Liverpool
6. 精霊代 - Lavender days -
7. 残像
8. 彼方 the far
9. 黄昏まで
10. 精霊代 - Lavender days -
11. 残像
12. 抱擁
13. 少年画報
14. 孔雀
Disc 1
Track 1 to 3 : Unreleased Tape
Recorded at Studio Magnet 12 June 1980.
Track 4,5 from Single「訪問者、幼年期」Plaza Records (7inch:PLAZA-1) 1981
Track 6 : Unreleased Tape 1981
Track 7,8 from Single「PRIEST, MODE」Polar Records (7inch:S-1) 1983
Track 9 : Unreleased Tape 1983
Track 10 to 14 : Unreleased Tape
Recorded at Sound Market 1984
Disc 2
Track 1 : Live Recorded at Shinjuku ACB 14 June 1980
Track 2,3 : Live Recorded at Shinjuku Loft 14 Aug. 1980
Track 4 : Live Recorded at Shinjuku Loft 3 Sep. 1980
Track 5 :Recorded at Rasenkan Feb. 1981
Track 6 :Live Recorded at Hosei University 18 Apr. 1981
Track 7,8 : Live Recorded at Shinjuku ACB 20 June 1981
Track 9 : Live Recorded at Harajuku Crocodile 25 Apr. 1982
Track 10,11 : Live Recorded at Kichijoji Manda-La 20 Feb. 1983
Track 12 : Live Recorded at Yotsuya Fourvalley 6 Apr. 1983
Track 13 : Live Recorded at Yotsuya Fourvalley 18 Nov. 1985
Track 14 : Live Recorded at Yotsuya Fourvalley 27 Jan. 1986
Track 15 : Live Recorded at Shibuya La.mama 7 Jul. 1986
Disc 3
Track 1 to 4 from「Skarlets」(Cassette) 1987
Recorded at ken's home 1987
Track 5 to 8 from「Liverpool」(Cassette) 1989
Recorded at ken's home 1989
Track 9 to 14 : Live Recorded at Fussa Chicken Shack 26 Jan. 1990
「そして私の過去は未来と同期する。」
1980年、19歳の私に40年後の未来である2020年はどう映っていたのか?60歳になっているという以外ははなはだ茫洋としたイメージしかなかったはずだ。少なくとも疫病の爆発的感染拡大で世界が混乱しているなんてSFの中の仮想の物語でしかなかった。しかし、シンクロナイズ(のちにザ・スカーレッツに改名。)のCD3枚にもわたる音源がリリースされるなんて、さらにさらにそのライナーノートを執筆する幸運に恵まれるなんて、これこそ自分にとって本当に予測しえなかった未来だ。
しかしながら、自分が彼らの良きリスナー、フォロワーだったとはお世辞にも言い難い。自分の彼らについての体験は1979年から80年の結成当初期の吉祥寺マイナーや旧・渋谷屋根裏等での数回のライブとオムニバスアルバム「都市通信」の3曲が全てである。その後、81年のシングル「訪問者」のリリースは知っていたが、結局入手しないままとなった。ましてや、その後83年のシングル「PRIEST」のリリース、そしてバンド名をザ・スカーレッツと改名してカセットを2本リリース、1990年頃まで活動していたというその後の彼らの活動歴史について、ギタリストだった野本健司のツイッターに近年邂逅するまで知らなかった。もっと言うなら、野本は自分にとっては1979年に見たノン・バンドのオリジナル・ギタリストであり、シンクロナイズに加入して主要メンバーとして活動を続けたという事実自体も知らなかった。
とはいえ、こういう表現は不躾とは承知しているが、彼らには伝説というべきサイドストーリーはほぼ存在しない。「1980年にリリースされた自主製作盤のオムニバス「都市通信」に参加した。」という事実以外は、「○○のライブで大暴れをした。」「日本では無名だが、海外の好事家の間では有名で、海外レーベルからのリイシューもされている。」といったスキャンダル、エピソードの類はほとんど寡聞にして聞いたことがない。バンドを始め、ライブを行い、作品を制作し、そして活動が終息していく。実に淡々とした歴史をたどっていたと思うのだが、むしろその平坦さこそが彼らの得難い魅力になったのだと思う。そして、数回のライブなどの数少ない体験で自分は彼らの音楽に魅了され、この40年、ふとした機会に「そして俺はZまで数えた/お前がブラウン管に映るまで」(「XYZ」「都市通信」に収録。)とか「時計の針を飲み込んで/心臓にひと突き/ガラスに折りたたまれた冷凍植物/時は音だけで空間を知らない」(「時間膜」)といった彼らの歌の歌詞を口ずさんできた。そう、自分が彼らの音楽に惹かれたのはその歌詞によるところが大きかったのだ。
物心ついて日本のロックを聞き出した時、大きな不満だったのが歌詞だった。「オー、イェー、ベイベー!」とか言われても、そんな歌の文化がない日本で叫ばれても何のリアリティーも感じない。一方で、その対抗側のはっぴいえんどを嚆矢とする「ですます調」の散文的な歌詞が内包するシニシズムの裏返しみたいな和み感覚みたいなものにも共感できなかった。それを打破してくれたのが東京ロッカーズだったと思っている。このムーヴメントは自分には「ロックンロールの復権」ではなく、ロックでも歌謡曲でもフォークでもない、日本のポップミュージックにおける新しい詞作のスキルの可能性の提示として立ち現れたのだ。そして1979年の「東京ロッカーズ」「東京ニューウェイヴ79」の2枚のオムニバスアルバムに収められたバンド達のその次の世代の存在を示した1980年のオムニバス「都市通信」はさらなる道程を示した。その中でもシンクロナイズ/ザ・スカーレッツの中心人物である白石未来夫の詞は既存のロックのクリシェやパンク的な粗暴さはもちろん、フランス文学などに対するディレッタンティズムとも違う地平に立った実にユニークなものだ。ギターへのコーラスなどの空間系エフェクターの多用によるサウンドからジョイ・ディヴィジョンやエコー&ザ・バニーメンなどのポスト・パンクや日本でいうところの「ネオ・サイケ」といわれるバンド群と比されることはあるが、そういったバンドのエピゴーネンに見られる自己憐憫、ナルシシズムとも無縁だ。それは何もない中空に鑿を突き立て、そこに潜む言葉を抉り出そうとするかのようだ。そして抉り出された言葉はまさに「黄色く枯れた観葉植物」(「POLAR SONG」)のように抽象的でありながら、どこか皮膚を突き抜けるような肉体性をはらむというアンヴィバレントさを孕んでいる。その不在のノスタルジアを描き出そうとする孤立無援な姿勢が自分の心に深く楔を打ち込んだのだ。そして今聞いても変わらぬ魅力に彼らのこの30年は雌伏ではなく、その世界の熟成だったのだ、とすら感じる。
もちろん言葉だけでなく、サウンドも素晴らしい。自分がライブを目撃した最初期の彼らは白石自身が弾く重厚なギターがバンドアンサンブルの要となっていたが、ギタリストとして野本が加入して白石が歌に専念するようになってからはむしろ音の間隔、隙間が大きくなり、シンプルになってゆく。その前のノン・バンドでもノン・エフェクトでギターを弾いていた野本の資質もあるのかもしれないが、彼の演奏は抽象的な歌詞にリアリティを与えることに成功している。さらにはドラマーが抜けてリズムマシンを使用するようになってからはむしろリズムアレンジが自在な境地を示しながら、メカニカルな音響によって世界が氷に閉ざされてゆくアンナ・カヴァンのSF小説「氷」のように無機質なメランコリアの世界を作り上げることに成功している。この3枚のCDはそうした彼らの音楽の変遷、深化の軌跡を網羅している。
彼らの音楽は伝説でもなんでもなく、今ここにあるのだ。歳月を経とうとも。このCDを手に取っている方はこの音楽に耳を傾け、そのメッセージを受け取ってほしい。
「鋭ぎすませ、その視線を/鋭ぎすませ、その機能を」(「XYZ」)
コサカイフミオ